箕輪千絵子

Minowa Chieko

心の中の『アマビエ』について

 アマビエがSNSで話題になっていると知ったのは3月はじめの頃でした。私はこれまで件(くだん)という半獣半人の予言獣をモチーフに制作をしていましたが、アマビエも予言をする妖怪です。アマビエが話題になると、クタベや予言の鳥など様々な予言獣が次いで話題になっていきました。予言獣について、こんなにも多くの人々が注目することになるとは思いませんでした。私は7年ほど前からクダンを描いてきましたが、これからも描くテーマは変わりません。同じように、こんな風に話題になるずっと前からアマビエを描いていた方がどこかにいるのかもしれません。自分自身が変わらなくても、社会や環境が変化していけば作品の見られ方も変化していくのだろうと思いました。

 変化したことといえば、今回の自粛生活が続く中で版画制作に利用していた工房が何ヶ月も使用停止になり、銅版画の制作が困難になりました。小さいプレス機を知人から譲り受けたおかげでなんとか制作することができましたが、ずっと使用されていなかったプレス機のメンテナンスをしたり、腐食液を管理したり、制作のための準備がとても大変でした。今まではいろんな人々に頼って制作していたのだと、環境が変化したことで実感したのでした。

海と光

銅版画・エッチング size: 13 x 18.2 cm ED40

略歴

1986年奈良県桜井市に生まれる
2011年武蔵野美術大学大学院造形研究科版画コース修了
[個展]
2011年、2016年、2017年ギャラリーゆう(大垣)
2013年アートギャラリーミューズ(前橋)
2014年、2017年アートゾーン神楽岡(京都)
2015年、2017年、2018年、2020年不忍画廊(東京)
[公募展、受賞など]
2009年トーキョーワンダーウォール2009 (東京都現代美術館)
浜口陽三生誕百年記念銅版画大賞展 (ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション)
2010年第7回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ展 大野城市長賞(大野城まどかぴあ)
2012年第3回バンコク国際版画トリエンナーレ(バンコク、タイ)
2017年、2018年、2019年、2020年人人展(東京都美術館)
[刊行]
Artist Booklet vol. 2『Chieko Minowa』(不忍画廊刊)
相馬俊樹著『アナムネシスの光芒へ』(芸術新聞社刊)
[webサイト]
http://www.chiekominowa.com