筆塚稔尚

fudezuka toshihisa

「アマビエ」

 人は見えない「モノ」に依り代を与え擬人化し、数字に置き換えて比べたくなるものですね。ところが逆に、自分にとって美しいものを人がそれほどとは思わなかったりすると、不安になったり。自分にとっては多いのに、人と比べると少ないことに不安になります。不確かなものを伝えることは大変です。

 新型コロナを契機に、陽気な引き籠りには台所と仕事場と寝室の間を行き来するだけの日々。ですが、私にとっては普段と何も変わらない毎日。でも、展覧会の案内状やダイレクトメールさえ、郵便受けに入らなくなったから驚きます。だから玄関さえ開きません。

 テレビを見なければ、爽快な天気の下で部屋から一歩も出ない自分は完全に世の中とは無関係に生きていると思ってしまうほどです。実際、テレビがなかった頃は日航機事故も誠美事件も、それにサリン事件も知らずに毎日を過ごしていました。今もその頃とあまり変わらない。

 農夫が畑を耕すよう、漁師が海原に糸を垂れるように毎日版に向かう。限りなくか細い糸かもしれませんが、そうすることの中で苦労と幸せの両方を今改めて感じています。版に向かうことそれ自体が私と世の中とを唯一つないでいます。

Facebook ブログ むらぎもる‐16より

 「そらのたね」“Seed of sky”

fudezuka


 メゾチントMezzotint size:  変形版 29.5 × 21 ㎝ ED60
□個展
諄子美術館    岩手・養清堂画廊    東京・アートゾーン神楽岡 京都・ヒロ画廊 和歌山
あーとらんどギャラリー 香川・眉峰ギャラリー    徳島・みさき画廊 大分  などにて個展
□展示・グループ展
2020京都空想装丁室展 企画       アートゾーン神楽岡+ギャラリー恵風 京都
2019コレクション+ギホウのヒミツ        版画編    高松市美術館 香川 “Pianissimo”  展  ビュランによる三人展  アートギャラリーミューズ 群馬
2018版画集「雲の輪郭」刊行    ほしおさなえ+筆塚稔尚+印刷博物館 印刷博物館  東京
「秋の図書館」展岩崎ミュージアム神奈川
 「西洋版画を視る-ビュランから生まれる精緻な世界」参考出品 国立西洋美術館東京
 □主な収蔵先
 東京国立近代美術館・滋賀県立近代美術館・宮城県立美術館・埼玉県立近代美術館・大阪府立現代美術センター・カナダカウンシルカナダ・クリ-ブランド州立美術館アメリカ・クラコウ国立演劇大学及びウッジ国立美術館ポーランド・パリ国立図書館フランス・ドレスデン州立美術館ドイツなど